15   常庭
 
 
 
 
マペットがマペットに復讐する。 そし
て、不思議なことに、この私も、マペ
ットに復讐されたのである。と言うこ
とは、私も、いつの間にか人形(ヒト
ガタ)に成り果てたと謂うことなのだ
ろうか。幾ら何でも、それは、嘘(虚
構)であろう。虚を突く為の、剣の構
え、その姿勢こそが、『 《虚=構》で
す』。 たくさんの記号が駆使されて、
単語がバラバラ殺人のように分節化さ
れてゆく。これもマペットの仕業なの
だろうか。しかし、クドイ繰り言に成
ってしまうのだが、私じしんは些かも
人形では無いのである。私は、寺の常
庭(トコニワ)のお庭番。正直、企業
のサラリーマンよりは立派な職業では
ないが、私がマペットではないことの
何よりの存在証明には成るだろう。お
庭番、私は、町の誰よりも速く、カラ
スがゴミを漁るときに発する黒い(ド
ス黒い?)羽音を、毎日、毎日、区役
所の検屍官より的確な耳たぶで聴き受
けているのだ。しかし、ここで、ひと
つの問題が生じる。「私」を信じない
無神論者どもに、どうやって「常庭」
と謂う概念を伝道するかという深刻な
課題だ。 (無論、「私」と「寺」は、
何の関係性もあり得ない。) 例えば、
「常庭」と謂う表記が既にして、嘘、
嘘、嘘なのである。 「   」と謂う、
いかにもの國語記号が罪を犯すシグナ
ルを発している。常庭とは、すべてに
対して開かれた、のべつまくなしに神
仏の降臨しまくっている、この世でい
ちばんオメデタイ、誠にアジャパーな
場所なのだからね。そうか、それで判
った。私は、その常庭のお庭番のくせ
に、あまりに知ったふうに記号をふり
まわし過ぎたのだ。それは、間違いな
く「私」の過失であり、罪悪である。
ハンバーガーにポテトがセットである
ように、罪には罰がセットである。こ
こまで来て、マペットはマペットを処
刑する、とやっと了解できる。
 



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