私は恥ずかしいセリフに忍耐する。
「私はあなたのはずかしい場所にKISSしよう、
と思います。
どうですか? はずかしいですか?」
私は恥ずかしいセリフに傷を与える。
「私はあなたに私の妻となってもらいたいのです。
べつだん、私の夫でもかまいません。
私の味噌汁を、毎あさ、作りなさい」
私は恥ずかしいセリフに感動する。
「恥の多い人生をおくってきました。
生まれて、すみません」
私は恥ずかしいセリフで政権を強奪する。
「臣民・西郷隆盛は逆賊に非ず。
ねえ、ここにKISSしても、いいでしょう?」
私は恥ずかしいセリフにためらわない。
「あなたは美人だ、
私のSEXフレンドになりなさい」
私は恥ずかしいセリフに市民権を付与する。
「私は今日からあなたを差別します。
理由などは、ありえません」
私は恥ずかしいセリフをキャリアと見做す。
「泣いてもいいですか?
いま、あなたに離別されたばかりですから」
私は恥ずかしいセリフの塊として生きている。
「先生、注射を打ってください、
浣腸もしてください」
私は恥ずかしいセリフを積極的に利用する。
「はい、自給は900円です」
黒い時計の秒針が狂ったように
ものすごい勢いで 回りだして
やがてそれは風速を帯びて
南方へ進軍する。
時計に襲来された現地のにんげんは
時計を『聖台風』と呼びならわした。
恥知らずな土人どもである。
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