16   春と幻聴が語ってくれる冗談
 
 
 
 
     春が腐っていく、 ・ ・ ・ ・ ・ ・
     春が爛れていく、・ ・ ・ ・ ・ ・ 
     春が潤んでいく、・ ・ ・ ・ ・ ・
     春が傷ついて、
     春が膿んでいく、・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
 
文学狂室でんだことは、
     もう弊えてしまった。
 
音感、この忌むべき能力。
  倉庫番の嘆きの「力」。
   蔵の中に、すべてのノイズを、
      音階として仕舞い込める
        呪われた「耳」。
 
耳の内部、鼓膜(薄す衣)を突き破って、
   かたつむりが鎮座しているのだ!
 
かたつむりは黙秘権を行使して、
     もう一億年経ってしまった。
 人類の狂気の始原。耳に素喰ってゐた。
 
宇宙がささめく冗談は、
    さして原理的ではなく、
     春を抱きしめてしまう。
 
 
  そのぬくもりは
  非在の母を懐しむ
  愛ではなく、否の慕情。
 
連絡線が桜の岸を出立します。
    桜の岸を出立します。
    桜の岸を出立!
 
「五月病」の緑は、
   宇宙(ガス)とは、
    無関係の「水」を吸い上げる、
      巨きい樹なのであった。
 
それが、この川の舟からの「遠景」。
  ミクロコスモスは離れていってしまう。
 
 
     春は病んでいる、・ ・ ・ ・ ・ ・、
     春は止んでいる、・ ・ ・ ・ ・ ・、
     春は痩せている、・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
 



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